今シーズンのにしおマラソンは2026年1月18日に開催されます。
これまで通り、1月の第三日曜の開催となりましたね。
エントリーは7月18日〜10月31日の予定となっています。
今回は、2025年1月に行われた第3回にしおマラソンの大会レビューです。実際に走って感じたにしおマラソンの魅力やコース攻略のポイント、特徴や注意点をまとめました。エントリーを悩んでいる方だけでなく、すでにエントリーを済ませた方もぜひ参考にしてくださいね。
にしおマラソンの特徴
お土産付きエントリー
25年大会は参加賞としてプレゼントだったのでちょっと変わりましたね。今回はエントリー時に追加料金を払うと、①西尾の抹茶スイーツ②うなぎの蒲焼き一尾とまぶしセット③えびせんべいがもらえるようになりました!
私の感覚ですがお土産屋さんや各メーカーで買うよりもお得なのではないでしょうか。ちなみに、西尾には”お土産屋さん”というものがホテルの売店程度しかありません。お茶はお茶屋さん、うなぎは鰻屋さんで買うしかないので、お店をまわることなく一度にまとめて受け取れるという点を考えて見ると一層ランナーに優しい特典だなと感じます。
会場は駅前
西尾駅を出ると駅前はお祭り騒ぎ。誘導スタッフの元気な声が響きます。駅前にそびえ立つショッピングモールの裏手に回ると、そこが会場の西尾市役所です。駅を出て一度だけ信号を渡って徒歩2分という激チカです。
更衣室、お手洗い、荷物預けが全て市役所前広場で完結しており、目の前の通りがスタートエリアということもあって、駅からほとんど移動する必要なくスタートに並ぶことができます。「更衣室を探し、荷物預け場所を探し、そしてスタートブロックを探す」というスタート前に迷子になるストレスや不安は、全くありません。
参加人数が6,000人という都市型マラソンと比べると大きくない大会であるからこと作れる導線かもしれませんね。
茶畑と踏切と激坂
序盤には茶どころの西尾らしく、茶畑の間を抜けていきます。やがて三河湾に沿って走り、後半に差し掛かると名鉄線の踏切、トンネルを経て、最終盤に待ち受けるのが一気に60mほどを駆け上がる激坂です。前半の田畑を抜けていくところも個人的には好きです。田畑や堤防の上をランナーが縦1〜2列に連なって走る様は壮観です。
景色もアップダウンも、応援も何もかもが最初から最後まで飽きさせないにしおマラソンのコースだなと感じました。
エイドでにしおグルメを網羅
西尾市といえば、抹茶とうなぎが有名ですが、あまり知られていない他の特産品もエイドにたくさん出されていました。このエイドを楽しみにしているというランナーは多いはずです。
西尾の抹茶グリーンティー、抹茶カヌレ、うなぎの串焼き、おにぎり、たけのこの里西尾抹茶味、イカフライのレモン煮、三河一色えびせんべい、そしてゴール後の抹茶わらびもちと、こんなにもご当地グルメに溢れたエイドがあるマラソン大会は全国的にも珍しいですよね。第2回大会では、知立名物の藤田屋の大あんまきが出ていました。
そして、33km地点の踏切の手前にあるのが”踏切食堂”です。ここにはコースの横に食品ブースがいくつか並ぶエリアで、にしがまラーメン(あさりを使ったラーメン)、クラムチャウダー、焼きそば、たこ焼き、抹茶フレンチトースト、油菓子が出ていました。踏切で止まらなくてもわざわざ入りたくなるエリアです。
私の出走記
続いて、私が2025年1月の大会に出た時の記録を簡単にまとめました。ご参考いただければ幸いです。
前泊は東岡崎駅前
私は東岡崎駅前のスーパーホテルに前泊しました。駅徒歩5分ですが、駅前には飲食店が充実しており、駅からホテルまでの通り道にはコンビニもあります。旧東海道の趣ある通りと岡崎公園を前日にジョグしましたが、岡崎らしい景色の中を走れて素晴らしい旅ランになり、気分が高まりました。
スーパーホテルなので、大浴場やウェルカムドリンク、無料朝食といったサービスが受けられます。睡眠を追求するビジネスホテルチェーンだけあって、他のスーパーホテルと同じく選べる枕もありますよ。
朝は東岡崎から新安城駅まで名鉄本線で移動し、名鉄西尾線に乗り換えます。名鉄西尾線は名古屋方面と相互に直通する急行と、新安城〜西尾間の各駅停車の2種類が走っています。もちろん狙い目は始発の各駅停車で座っていくことですよね。私は西尾駅での混雑を見越して新安城駅でお手洗いの時間を確保するために乗換案内で出た列車の1本前の列車で東岡崎駅を出発しました。これが大成功でした。お手洗いは全く混まず、西尾線のホームで列車を待ち、簡単に座ることができました。その後すぐに名古屋方面からの速達列車で新安城駅に到着したランナーたちが続々乗り換えてきたので、通勤電車並みの混雑になりました。
アドバイスとしては出発の10分程度前にはホームで待っておくことです。名古屋方面からの速達列車から名鉄線の各駅停車に乗り換える人が少なからずいるので、彼らよりも先に西尾線のホームで待つようにしましょう。
新安城から西尾までは各駅停車で22分程度です。名古屋から西尾までは乗り換えなしの急行でも、特急から新安城で各駅停車に乗り換えた場合でも約1時間という所要時間になっています。
会場入り後はいつものルーティン
ウェアは中に来てきていたので市役所の建物の脇でバナナやゼリー等の補給と軽いストレッチ、上着を脱いで荷物預け、WCの私のいつものルーティンを済ませて整列です。スタートエリアでも少しスペースがあったのでそこでも体を動かすことができました。
トイレは1ヶ所ですが、数が多いのであまり長い時間並ぶことはありません。無理に西尾駅で行く必要はないなと思いました。
「アップで10分ジョグしたい」というような方には会場は狭すぎるので周辺道路を走ることになるでしょう。
初めてのAブロックで開会式を味わう
申告タイムを3:20にしていたところ、私自身初めての一番前のブロックでのスタートになりました。トップランナーの邪魔にならないようにブロック内で真ん中あたりに並びましたが、それでも開会式の様子がとてもよく見えました。
ゲストやDJに気分を上げてもらって、いよいよスタートです。
意外に体力削られた前半
今回のにしおマラソンでのテーマは2つ決めていました。
①エイドをしっかりと楽しむ(全ては取らないがあらかじめ取るものは決めていた)
②3月の静岡でサブ3達成のための練習
終盤の激坂に備えて前半は温存すべきところでしたが、サブ3を意識してキロ4:20〜4:15くらいで飛ばしていきました。大きなアップダウンはないのですが、住宅街の細い路地や舗装が少し荒れた田んぼ道、そして堤防の上など走り慣れない場所を通ったので想像以上に消耗してしまいました。今回はスタート時点の気温が8度ほどだったと記憶しており、風もほぼなかったので気象条件は悪くなかったのですが、海沿いを走る区間では風を多少は感じました。
ただ、茶畑の間を駆け抜け、地元の方々からの熱烈な歓迎を声援を受けて「本当に幸せだ」という気分で走り続けられました。
エイドは抹茶カヌレとグリーンティ、そしてハーフ手前でうなぎ串とおにぎりをいただきました。
粘るしかできなかった後半
堤防の路面が足に負担をかけていたのか、ハーフ通過時点で普段よりも足に負担を感じていました。ペースは25kmくらいからはキロ4:40〜4:30まで落ちてしまいます。
たけのこの里西尾抹茶味はいただいたものの、えびせんべいやイカフライのレモン煮を取る予定でしたが、そんな余裕はありませんでした。33キロ付近の踏切食堂ではクラムチャウダーとにしがまラーメン、抹茶フレンチトーストをいただきました。踏切に捕まったわけでもないのに満喫しました。
豚汁も取る予定がそんな余裕はなく、トンネルを抜けていよいよ激坂に差し掛かります。このあたりで私はサブ3.5はほぼ達成できるペースで来ていましたが、私以外のランナーもかなり消耗していたように見えました。
「歩いたら終わり」という一心でペースを落としてでもとにかく前を見ながら、そして声援に応えながら全身で淡々と一定のリズムで最初の激坂を上り切った時には、足にこれまでに感じたことのないような”走り応え”を感じていました。そして次に見えたのが2つ目の坂。短かったのでクリアはさほど難しくなく、下りへ。ブレーキをかける力が残っておらず、ヘロヘロの状態で落ちていくように下りましたが、次に見えたのはなんと上り坂。「ええっ!?」と思ったのは私の近くを走っていたランナーも同じだったようで、もう動かない足を無理やり動かして上り切りました。下り坂をしばらく落ちていき、最後の2キロ程度は平坦な道になります。この平坦な道が上りのように感じてしまい、ラストスパートができずにゴールしました。
激坂はもちろんですが、慣れない道を走ったこと、そしてエイドを取るために走ることと止まることを何度か繰り返したことが余計に足に負担をかけていました。止まることと動くことを繰り返すよりは、やはり走り続けていた方が足にとっては楽なようです。
ゴール後
ゴール後は完走タオルをかけてもらって荷物受け取り、そしてお土産の受け取りへと向かいます。ゴール地点の横須賀公園はあまり広くなくコンパクトでした。まず完走賞として抹茶わらびもちをいただき、更衣室があり、表彰などが行われるステージの向かいのテントで事前に申し込んでいた抹茶のお土産をいただきました。
その先へ進むとスポンサーブースがあり、無料配布の牛乳をゲット!他にどんなブースがあったかよく覚えていないのですが、ランナー向けの嬉しいサービスやプレゼントが多くあったと思います。
スポンサーブースの奥にフードコーナーがあり、キッチンカーが多数出展しています。私は塩焼きそばをいただきました。横須賀公園周辺や、最寄りの上横須賀駅周辺には飲食店がないので、ここでゴール後の食事を摂ることになるでしょう。または、西尾駅まで電車等で移動すれば飲食店は多数あります。
最寄りの上横須賀駅まで徒歩7分程度でした。地方路線なので本数は少なく、ゴール後のランナーであっという間にホームは埋め尽くされてしまいます。私は運よく座ることができ、新安城へ、そして乗り換えて東岡崎まで行き、ホテルに預けていた荷物を受け取って帰路につきました。
魅力に感じたポイント
アクセスの良さ
にしおマラソンを走る上での大きな魅力が、会場が駅前ということです。各地方の大会を見ると、会場が運動公園や陸上競技場などで駅から路線バスやシャトルバス、自家用車でアクセスする以外にない場合が少なくありません。“スタートラインまでが遠い”が地方のマラソンの定番です。しかし、にしおマラソンは駅徒歩2分で会場に着きます。会場までのアクセスの良さ、会場のコンパクトさのおかげで当日の朝はスムーズでストレス少なくスタートラインに並ぶことができました。
DJとゲストランナー
25年大会では野口みずきさん、西尾市出身の糠谷悟さん、千葉真子さん、坪井ミサトさん、きゃっするひとみーさんなどなど紹介しきれませんが他にも豪華なゲストランナーが出場していました。また、大会ゲストとして松井珠理奈さんがスタート前に盛り上げてくれましたし、侍ジャパンDJでお馴染みのDJケチャップさんが開会式前から素晴らしい選曲と力強く心に響く言葉でランナーの背中を押してくれました。
次回もゲストランナーに野口みずきさん、糠谷悟さん、応援ゲストに須田亜香里さんは決定しているようなので今後の発表に期待ですね。
地域色を強く感じる
ここまでにも書いてきましたが、景観とエイドの内容から地域色を強く感じる大会だと思います。茶畑、田園風景、三河湾、抹茶、うなぎ、えびせんべい…西尾らしさを存分に味わえる大会です。
走っていて楽なコースではないのですが、気持ち的には飽きることなく楽しめるはずですよ。
踏切と踏切食堂
33km付近には踏切があり、ここで捕まってしまったランナー限定の特典があるとかないとか!?
この手前には「踏切食堂」という名の大規模エイドステーションがあります。お祭りのようにフードの屋台が並んでいますよ。ゴール地点の屋台と違って無料で、ランナーだけが味わえるグルメです。
街中が応援団
私がびっくりしたのが西尾の街中の大歓迎ムードです。普段はのどかな地方の街に突然大勢のランナーが押し寄せてお祭り騒ぎになるので、私は「おじゃましてごめんなさい」くらいの気持ちでスタートしました。その気持ちは1kmも走らないうちに変わります。地元市民がそれぞれの自宅前やコースに出てきて知らないランナーに絶えず声援を送っています。公式のおそろいのキャップを被り、メッセージボードを掲げての応援も目立ちます。もちろん、ボランティアさんの熱量も高いです。前半だったと思いますが、「走りに来てくれてありがとう」と書かれたメッセージボードを掲げている方が複数いらっしゃいました。普段使っている生活道路を他人の娯楽のために規制されることがなぜ「ありがとう」なのか私には理解できなかったのですが、「西尾の方々のためにも精一杯走る姿を見せよう」と気が引き締まった瞬間は半年経った今でも忘れられません。
参加にあたっての注意点
電車は混む
西尾駅へのアクセスは名鉄しかありません。多くのランナーが名古屋方面から来るので、名古屋からの急行は大混雑します。遅延こそしていなかったですが、「名古屋からの急行に混んでいて乗れず、一本見送った」と話すランナーはいました。
混雑を見越して、早めの行動を心がけましょう。そして、混雑する電車内でマラソンのためにできることは“体力を節約する”ことだけです。混雑に対してイライラしたりせず、ボーッと過ごすのがいいと思います。
道が細く、曲がり角が多い
昔ながらの住宅街や田畑の間も走るので、細くて入り組んだ路地や舗装が古いところもあります。道が細い急カーブや直角の曲がり角が特に前半に多いので、速いランナーほど地面に足を取られてしまうなどの危険があります。転倒まではしなくとも、足には疲労が溜まります。
堤防の上では風に注意
海沿いを走るマラソン大会には必ずついてまわる風との戦いがにしおマラソンにもあります。街を抜けて三河湾が広がる開放的な気分を味わえるところですが、中盤の長い区間にわたって海沿いを走るため、風との戦いが長く続いてしまいます。
2025年1月の大会では、風はあまり強くなく、影響はさほど感じませんでした。
初心者向けのコースではない
街中には坂、曲がり角があり、足にはかなり負担がかかる上、海沿いでは堤防の固い路面や風との戦いになり、コースの至るところにガタガタする路面があるなどタフなコースです。
「地元の大会だから」という気持ちで参加するのもいいのですが、練習を積んでこないと完走するのは厳しいのではないかと思います。とはいえ、2025年の第3回大会での完走率は天候がよかったのもあるかと思いますが96.48%(公式発表)と高い数値を出しています。地元の方々の熱烈な応援に後押しされて走り切れてしまうのかもしれませんね。
前泊とアクセスのアドバイス
前泊は西尾市内、東岡崎駅、豊橋駅、名古屋駅あたりになるでしょう。
西尾駅前に泊まれたらベストですが、西尾駅前にはホテルがたったの一軒のみです。車があれば海の近くの吉良温泉エリアをおすすめします。ただし、大会公式の駐車場はないので、誰かに送迎をお願いするか、近隣の駐車場に停めて徒歩や名鉄でアクセスするしかありません。
電車で関東、静岡方面から向かうなら、東岡崎駅前をおすすめします。ビジネスホテルが数軒あり、コンビニやドラッグストア、飲食店が多数あるため、マラソンの前泊に必要なものは揃っています。西尾まで30分ほどでアクセスできるのも魅力です。
ただ、やはり多くの方が名古屋に前泊していたようです。名鉄の西尾と名古屋の間の沿線にはほとんどホテルがないのが辛いですね。マラソンだけでなく名古屋の観光やグルメを楽しみたい方には名古屋前泊はおすすめです。ただし、当日の行き、帰りとも電車の混雑は避けられないでしょう。
コース攻略法
最初の3kmでポジションを確保
スタートから3km地点付近までは幹線道路のため道幅が広くて走りやすいのですが、これ以降は一気に道幅が狭くなります。目標タイムがあるランナーはここまでの間に自分のペースで走れるポジションを確保しておきたいものです。
ランナーが6,000人弱と少ないですから、他の都市型マラソンよりは集団がバラけるのが早く、走りやすいと思います。
激坂は大小中の3連続
コースマップやあらゆる映像、レビューを見ていると激坂は最初の1回のように錯覚してしまいますが、一番大きな坂を上ったあと、平坦な道が少しあって小さな上り、少し下ってまた上りという具合に上り坂3連続になります。そして上った分下っていくわけです。この下りは最初は急な坂ですが、その後は緩やかに長く続いていきます。その後の2kmくらいの平坦な道が上りのように感じてしまうので、難しいことですが、最後の平坦がきついことも頭に入れて全体のペース配分をしておくといいでしょう。
まとめ
今回は、西尾マラソンを紹介しました。
コースはややハードですが、地域色と歓迎ムードを強く感じられる大会であることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
コースがややハードなだけに、記録を求めるランナーにはいい練習になると思います。2月後半〜3月前半に本命レースがあるランナーの練習レースとしておすすめです。一方で、「エイドが魅力的な大会を走りたい」という楽しむこと第一のランナーにもおすすめできる大会です。
ゴール地点でみんなが笑顔で帰ってくる姿を見ていたとき、本当にいい大会だなと私は感じました。走ることが好きならぜひ一度は走ってみてもらいたい大会だと思っています。
西尾の観光やグルメの情報は、私が運営する旅行情報に特化したサイト「ミーヤの旅路」にてまとめています。
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