毎年3月第二日曜日に開催されている静岡マラソンの2026年大会は3月8日に開催予定となっています。
エントリーは10月2日(木)20:00〜11月13日(木)となっており、定員12,000人で先着順の大規模なマラソン大会です。
静岡マラソンの特徴とレビュー、前泊、服装、コースの攻略まで詳しく解説するので、エントリーに迷っている方だけでなく、エントリーを済ませて事前準備や直前対策にも役立つ内容です。
今回は2025年大会のフルマラソン部門のレビューです。ファンランなど他部門に参加予定の方でも前泊や会場アクセス、会場の様子などは知ることができると思いますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
静岡マラソンのポイント
記録が出やすい
サブ3達成率などの様々な“記録の出やすさ”を表す多くの指標でTOP3に入るほどの記録が出やすい大会です。3月2週目というランナーが大会慣れしていることや気温的なコース以外の要因もあるかと思いますが、走ってみるとやはり道が広く、大きなアップダウンや急カーブ、舗装の乱れなどがないことから記録が出やすいといわれる理由がわかります。高低差は最大約20mしかなく、25km以降が特に平坦なので、前半我慢して走れば後半は楽に走れるかもしれません。
静岡らしさを味わうコース
8:20に静岡市役所前をスタートし、清水駅前に至る公認コースです。
スタートエリアの駿府城公園、安倍川沿いを走り、国道150号線清水バイパスからは駿河湾を一望しながら走ります。安倍川橋を渡る時の気持ちよさや東海道新幹線の高架をくぐるので、運がいいと新幹線と交差できます。バイパスではいちご農園がたくさん並んでいますよ。
2025大会レビュー&出走記
小田原前泊&新幹線で会場へ
静岡駅前で前泊ができれば最高なのですがほとんどのホテルが満室か素泊まりでも2万円以上となっていました。東海道線沿線で探した結果、小田原に決めました。小田原にした理由はいくつかありますが、周辺環境が整っていて夕食と朝食に困らないこと、ちょうどいい時間に停まる新幹線があることでした。
小田原駅を6:17に出発する新幹線で静岡に向かいます。乗車したひかり号はランナーで満席でした。後続のひかり号は静岡駅に停まらないのでこれ一択なんですね。ちなみに、この列車は新横浜駅を始発で6:00に出るので、前泊に困ったら新横浜でもいいと思いますよ。
静岡駅の改札を出ると誘導の駅員さんやボランティアさんが多くいたので迷うことなく駿府城公園まで行くことができました。半分くらいは地下道なので寒くもありませんでした。
会場の様子
7時前には会場に着きましたが、すでに更衣室は満員状態で、荷物を置けるような周辺の芝生などもかなりのスペースが埋まっていました。私は上着をを脱ぐだけで走る格好になれる状態だったので困りませんでした。お手洗いは公園内複数ありました。男性用も大小に分かれていたので小の方は全く並ぶ様子がありません。トラックは会場内あちこちに数台ずつまとまって停まっているので、探すのに少し苦労します。私はいつものルーティンで自分のトラック付近で補給や上着を脱ぐなどの準備を済ませます。
荷物預け後のアップは公園の出入り口付近のスペースでできました。水とスポーツドリンクの給水コーナーもありました。
整列場所の地図はもちろん出ていますが、現場の導線的に近くに見えてもぐるっと遠回りさせられるブロックが多いため、マップで見る距離感と実際には異なりました。7:50をまわってから公園を出て、思いのほか場所が分かりづらく走って自分の整列場所を探すランナーが多かったです。そして、公園の出口(整列場所への入り口)は8:00ぴったりに締められてしまいました。私がいた場所から閉まる様子がはっきりと見え、複数のランナーが止められているのを見てしまいました。
スタート〜ハーフ
駅前の超幅広の大通りがスタートになるので、スタートから1kmも走らないうちに自分のペースで走れるようになりました。序盤は集団で走りたいランナーが多いと思いますが3,4kmも走ると集団はばらけてきてしまいます。その後に同じくらいのペースのランナーを見つけるまでに時間がかかります。
15kmすぎまでは静岡市の中心街を走るので沿道の応援が絶えず続きます。きつめの曲がり角も若干ありますが、気持ちよく走れるところです。
15〜25kmくらいまでがややきついと感じるかもしれません。安倍川に差し掛かるため、土手に上がる坂があり、コース幅が狭くなり、ハーフ付近からバイパスに上がるまでの細かな曲がり角や坂には体力を奪われます。
序盤は応援も私設エイドも多くて楽しく走れることでしょう。19km付近で新幹線と交差するのですが、遠くに新幹線が見えてきた時に静岡らしさを感じるかもしれませんね。
ハーフ〜ゴール
バイパスに入ってから2kmくらいまでは自動車専用道路特有の曲がりながらの坂に苦しめられました。こういったところは路面の傾きもあるんですよね。
防音壁に囲まれたところを抜け、景色がひらけてくるとその後は単調な道になります。アップダウンがほぼなく、景色がほぼ変わらず、ひたすらまっすぐに進んでいきます。郊外のバイパスなので応援も少なくなります。(熱烈な声援を送ってくれた男性がいましたが)こんな直線が約10km続きます。2025年大会の時は東風(朝の予報では3mと出ていた)が吹いており、この区間はずっと向かい風でした。ハーフを1:31で折り返し、4:20を切るくらいのペースを常に刻んでいた私ですが、ここでは4:40〜4:50まで落ちてしまいました。ここで目標をサブ3から3:10に切り替えさせられたのです。ここまでくると集団は全くなくなっているので、どのランナーも単独走でこの風をしっかりと受けてしまいます。歩いているランナーも目立ちましたね。
35kmで折り返し、北へ向かって右折すると長かった風との戦いも終わりました。それでも、風との戦いで消耗したランナーばかりで、私も含めてペースが上げられないランナーが多かったようです。ただ、このあたりでようやく「清水」という地名を見かけるようになるので、ゴールが近づいてきたことを実感します。しかしながら、このあたりの景色は実はよく覚えていないのです。覚えているのはゴールが近づくにつれて沿道に人が増えてきていたこと、ゴール1km手前くらいに清水エスパルスの応援団がいたことくらいです。
ゴールをすると爽やかな水色のスタッフポロシャツを着たボランティアさんからタオルや飲料、そしてみかんを手渡され、しんどかった戦いが終わったんだと実感しました。
ゴールエリア
ゴールエリア(清水駅東口駅前広場)は他のマラソン大会と比べるとシンプルで、景品受け取りのテントがあるくらいです。清水文化会館の中が更衣室になっており、大きめのお手洗いや自動販売機もあるので、ゆっくりはできませんが混雑や不便はありませんでした。
私は着替えが終わるとすぐに帰路につきましたが、隣接する市場の散策も楽しそうです。リカバリーを兼ねたランチとなると飲食店が反対の西口側に集中しているので、駅の反対側に移動するか静岡駅まで戻ることになります。
私は、前泊した小田原のホテルに荷物を預けていたので静岡には戻らず、在来線で小田原へと戻りました。途中、熱海での乗り換え時間を利用して駅前の足湯に立ち寄り、足のケアもできました。
ゴール後の楽しみ
読者の皆さんはマラソン後の楽しみやご褒美はありますか?
私はその土地のグルメを楽しむことです。マラソン向きなグルメならマラソン前に食べることが多いですが、そうでないものの場合にはマラソン後に取っておきます。宮崎の青島太平洋マラソンを走った時には仲間たちとマンゴーソフトクリームを空港で食べたのが思い出です。
今回はゴール地点で景品としていただいた静岡銘菓「こっこ」でした。
熱海からの東海道線の帰りのグリーン車でいただきましたが、マラソンで疲れた身体に染み渡る優しい食感と甘さでした。
気温と服装
スタート時点では気温8℃、風はほぼなく、雨の翌日の澄んだ晴天でした。
キロ4:20くらいで走る私は、Tシャツにアームスリーブ、膝上までのピチッとしたタイプの短パンにくるぶし下までの靴下、キャップでちょうどいいくらいでした。同じレベルのランナーでも長めの靴下やカーフを身につけているランナーは多かったです。手袋をしているランナーも見かけました。
3月の静岡とはいえまだ最高気温が10℃に届かない日もあるので、迷ったらアームスリーブ、カーフや長めのタイツを履くことをおすすめします。完走目標のランナーでしたら、薄手のパーカーのようなものを使ってもいいかもしれませんね。
静岡マラソンコース攻略
整列位置は迷うかも
25年大会では駿府城公園からスタートブロックに出てくると、正面にはBブロックの先頭あたりでした。ほとんどのブロックはそこから左方向に進むのですが、駿府城公園から出て目の前にスタートブロックの案内看板がないので迷うでしょう。事前に案内をチェックして覚えておく必要があります。整列時間は厳格で、当然ですが時間になると容赦なく締め切っていました。整列に間に合わないと最後尾からのスタートになります。
ハーフを境にコースが一変する
前半は景色の移り変わりが多く、曲がり角やアップダウンも多いです。後半は海沿いのバイパス道路を走るため、あまり景色の変わらない直線道路を淡々と走っていくことになります。
前半は精神的に楽で体がキツく、後半は自分との戦いになります。
風を頭に入れておく
25年大会では強い東風が吹いていたため、22kmすぎから約13kmにわたって西から東へ続く直線道路で終始向かい風を受け続けました。同様のケースは次回以降も予想されるので、普段から向かい風を走る練習や、本番時も天気予報をチェックして向かい風が想定される場合には前半抑えて入るなどペース配分を工夫する必要があるでしょう。
静岡マラソン出走の注意点
静岡駅で前泊は厳しい
静岡駅周辺にはビジネスホテルがたくさん並んでいますが、あっという間に埋まってしまいます。それに、普段は1万円かからないホテルも2万円超えになるなど宿泊代も高騰します。
私は小田原で前泊しましたが、素泊まりで1万円かかりませんでした。周辺環境もいいので小田原はおすすめします。他に新幹線停車駅として熱海や三島もありますが、当日朝のちょうどいい時間に新幹線がないので不便です。私が利用した新幹線は小田原の次の停車駅が静岡でした。
朝が早く時間はタイト
8:20スタートと他の大会と比べるとやや早めの時間に設定されています。静岡駅から駿府城公園は10分かからず辿り着けますが、荷物預けトラックやお手洗いは点在しているため会場内での移動に時間がかかります。整列位置は公園外にあるので、移動時間がやはりかかります。
2025年大会の場合には7:45荷物預かり終了、8:00整列ブロック閉鎖でした。7時前に会場に着きたいですね。
まとめ
静岡マラソンは静岡の歴史、自然を存分に味わえる楽しいマラソンです。運営体制がしっかりとしているので、私が迷ったのは整列ブロックくらいでした。ボランティアさんや地元の方々の応援も本当に力になります。
静岡マラソンを走れる皆さん、ぜひ楽しんで頑張ってきてください!
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